店舗日記/案内と雑記

当サイトにお越しいただき、ありがとうございます。

ここでは、日々の出来事や思うこと、お店の予定など、思いつくままに記しています。


12/27/20 仕事納めです

今年は何より新型コロナでした。コロナ禍の下、来客が減るのは自明として、「コロナにも拘わらず注文いただける、ありがたいことです」、「いらっしゃらないのはコロナを気にしてのこと、ありがたいことです」と、両極で心落ち着かせています。靴を仕立てることが不要不急かどうかはお客様次第ですし、無理を通しても良い物が提供できるとは思えませんし、コロナ対策を心掛けながら仕事を続けられたら御の字だと思っています。最悪の事態として、注文ゼロも覚悟していましたが、そうはならなかったのが心の支えです。

手の空く時間ができてしまったので、普段はやらないこともできました。母から「これで鞄作って」と渡されたビニールレザー。こんな材料使ったことねぇよ、と思いながら、新しく思いついた仕様を盛り込んで、実験的手法を試すことができました。たまには親孝行もしてみるもの、かな。

靴の屈曲部の割れにパッチを縫い付ける、有名な修理も実施してみました。中底まで縫いを解く必要がありますから、手間が新品を作るのと変わらない。よほどのことがなければ実践を想定できません。でも、技術研鑽の一環として、一度やってみたかった。

コロナ禍はまだまだ続きます。世界が変わってしまった中で、新しい生活様式の中で自分に何ができるか、ですが、模索の姿勢そのものはコロナ前から変わらないと感じています。


12/23/20 コロナいますよ

今週、お客様やご近所さんや友人とお話する機会がたまたま重なりました。結構な頻度で「コロナの実感がない」と言われました。先週のドタバタのように、場合によったら、二次クラスター、三次クラスターに巻き込まれるぐらいの近くには、コロナがいます。

家を出る時にはマスク、外から帰ったら、人に会ったら手洗い、3密の回避、例年ガンガン出ているインフルエンザがかなり防御できるぐらいの効果はあります。コロナに罹ってから後悔するぐらいなら、事前に対策を励行しましょう。ぜひとも、ぜひ。


臨時休業のお知らせ

寒さが厳しくなるにつれて、新型コロナウイルス感染症の罹患者が全国的に増加しています。京都府でも比較的大きなクラスターが発生し、日々、ウイルス検査の陽性者が増えています。誰しも治療法のない病気にはかかりたくありませんし、医療関係者の負担を減らすためにも、感染対策をお願いします。

当工房の代表・鶴田の周囲でも、息子の学校で感染者が発生しました。まず、感染者の早い回復をお祈り申し上げます。

そのうえで、感染者から見て、私は「濃厚接触者」の「濃厚接触者」の「濃厚接触者」に当たる可能性があります。現在、感染者の周辺から順に検査が進められていますが、普段の「どこから感染するか分からない」状況よりも、具体的に感染の可能性があるルートが見えている状況です。手狭な工房で、特に靴の測定や相談などの濃厚接触を避けるべきと判断し、工房を臨時休業いたします。状況がはっきりし次第、営業を再開します。営業予定については[店舗]ページにて確認ください。

ご予約いただいているお客様、ご来店を検討されていたお客様にはご迷惑をおかけします。現状、製作の作業は問題ありませんので、納期について心配に及びません。また、電話やメールによるお問い合わせは随時受け付けています。

withコロナ時代の運営の1例として、ご理解いただけると幸いです。

 

12/16/20 追記その1

息子の学校での新型コロナウイルス感染症関連で検査は進んでいて、息子の周辺ではすべて陰性とのこと。ただし、他のクラスの様子は不明。学校全体として、今のところ新規の陽性判定者は出ていないので少し安心していますが、検査を受けた方々の結果が全面的に分かるまでは工房を休業します。個人的には、検査は思ったよりも早く進むもんだと感心しています。保健所の皆さんは本当によく頑張っています。

なお、わが家では、他よりも少しだけ感染した可能性がある息子は、客間にて隔離生活。家事も免除。家族全員が、家の中でもマスク着用、各自が個別にタオルとアルコールスプレーを持って生活しています。共用する場所はシュッしてから。トイレみたいにドアノブだの便器だの触る部分が多い場合は、手にシュッでまとめて。家族の誰かに不穏なことが起こった場合に備えて、11月に1週間ほど模擬的にやっていたのですが、こんなに早々に実行に移すとは思いませんでした。

 

12/17/20 追記その2

濃厚接触者の検査の結果、全員陰性が判明。学校でのクラスターにならなくて良かったです。今のところ、皆さんの対策が機能しているということです。あとは感染者さんの回復と、戻ってきた際に「元気になって良かったね」という姿勢だと思います。

明日から工房の営業を再開します。千客万来で過密になるような業態ではありませんが、来店の際にはコロナ対策をお願いします。


11/22/20 アデレードクオーターブローグ ビスポークシューズ

パターンオーダーでも一番人気のクオーターブローグ。フォーマル感のあるカジュアルな革靴の筆頭ですし、仕事履きを軸に汎用性が高いです。

ネイビーブルーのラウンドトゥでのご注文でした。お客様の足は細いのですが、「爪先が細くなり過ぎないように」との要望をいただきました。確かに、ビスポークらしいシャープで軽やかな雰囲気よりも、少し力強さを加えて「地に足が着いた」雰囲気の方が似合いそう、微調整に苦労しながら木型を削りました。

パターンオーダーのラウンドトゥ木型よりも少し硬質に、少し厚みをつけて・・・・ こんな時期ですし、雰囲気出しに少し時間をかけることができました。靴との対面の際のお客様の表情が、私にはご褒美です。

「合う靴がない」でお越しいただいたお客様に、靴と一緒に「気持ちよく歩く」を提供できて、満足の一足になりました。


11/16/20 日曜日の手作り市

週末の手作り市は久しぶりでした。平日には来られない方もいらっしゃるので、ちょっと雰囲気が変わります。行楽シーズンの、というよりも、コロナ禍の元の、の様相は否めませんが。

「これはよくできてる。そこら辺に売ってる物とは違う」こだわりの強いお客様に品物を認めていただくことが多かったです。安価が当たり前の世の中に、良い物がどんどんなくなっていることを実感されている。そういう方がいらっしゃる限り、可能な限り頑張ってみたい、と励みになります。若い方、学生さんの姿もちょくちょく。価格に怪訝そうな顔をする若者もあれば、小さなアクセサリーを一生懸命に選ぶ女性も。彼らに何か感じることがあったならば出展した甲斐がありますし、私もお金以外にいただけるものがあります。若い感覚は未来そのものですから、ね。


10/18/20 世界に平和が訪れますように


9/16/20 手作り市に出る作家さんにちょっと感動

久しぶり~、元気~?

顔を合わせるのは2カ月ぶりとか、半年ぶりとか。コロナ禍あり、猛暑ありで、皆さん早朝からお互いの健康を気遣う挨拶を交わしていました。作家さんらしく手作りマスクも多く、ビーズ細工のマスクチャームで飾り付けて、この状況でもオシャレに、楽しく、前向きです。で、マスクをずらしたりせず、一日中きっちりとマスクをする。飲食はお客様やお友達がいない時間を見計らってさっと済ます。話してみると、皆さん同じことを言います。「どこでかかるか分からないから、自分がかかっても仕方ない。でも、周りの人にうつしたくない。」加害者になる恐ろしさもあるでしょうが、周囲への心遣い・思いやりが本気で、できるだけの対策を励行していること、習慣づいていることは伝わってきます。

で、きっちりマスクして、時折手指をアルコール消毒しながら、お客様ともお友達とも楽しくお話する。物理的な距離感はとりながら、心の交流は以前と変わらず。売り上げは以前のようには見込めないけれど、以前と変わらぬ気心知れた付き合いを大事にしている。それで、ですね。こういう作家さんたちの作品を見ると、やっぱり配慮が行き届いていて「良いなぁ」と思うわけです。


7/16/20 手作り市に出てきました

出展者数を減らして「3密」を回避、マスク必須、出入り口に消毒液、出展者の各ブースにも消毒液を備えて、できるだけの対策をしての露店でした。マスクが苦しい高齢の出展者が自作のフェイススクリーンを着用していたり、作家さんらしい工夫も随所に見られました。

この状況下ですから、外国人観光客やツアー客は望めず、どれだけお客様がお見えになるか心配する声もありました。でも、この開催を知ってすぐに駆け付けたお客様は、人が薄い分だけゆったりと楽しめたのではないか、と思います。そういえば、お客様もしっかりマスクをして、皆さんの高い意識を感じました。コロナ前と同じようにはいきませんが、物事が少しずつ前向きに動いていることが感じられて、爽やかな一日になりました。


5/31/20 タッセルローファー

タッセルローファーのご注文。編み込みレースを使ったうえで、すっきりした印象に、というご要望で。

数多い要素をまとめるのに、レースを落ち着いた雰囲気に仕上げる必要がありました。細く薄く調整した革で6本丸編みのレースを作るのに躊躇はありません。小物の技術もいろいろ作って勉強しておくものです。

当初想定していたよりも綺麗めに仕上がりました。自粛期間に仕上がったのですが、この木型で仕立てた2足目だったので発送で納品させていただきました。履いていただいてどんな雰囲気になるか、お客様との再会が楽しみです。


5/16/20 営業自粛も1カ月経ちました

新型コロナ感染症の対策として、要請対象外にもかかわらず、営業を自粛してきました。この期間にも、ご予約・ご来店のお客様やお問い合わせのお客様があり、大変ありがたく思っています。完全営業まで、もう少し期間をくださいませ。なお、ご来店の際には、必ずマスク着用でお願いします。


4/28/20 ミシンがあるならマスクを作ろう

不織布マスクが手に入りにくくなっています。この状況は長期化するでしょうし、経済的負担も大きい。ということで、自家製マスクを作ることにしました。手芸店に行くのも控えたいので、手元にある材料を使いました。

デザインは、鼻に当てるワイヤーが不要な立体タイプです。生地には、私が着なくなったシャツを裁いて使いました。靴作りに使うためにとっておいた布で、織り目が詰まった平織り生地なら、それなりに効果はあるだろう、との判断です。

靴の縫製に使う18ミシンでも縫えました。

表生地も裏生地も同じ型紙から型入れして裁断しましたが、表生地の天地の縫い代を短くして縫います。

折り返して、表から見ると裏の生地がチラチラ見えることがありません(画像は裏側から見たところです)。

ひもには、たまたま使わない柔らかい靴ひもがあったので、それを応用しました。マスクひもやゴムひものように伸縮性はありませんが、ネクタイの結び方を使って、長さの調節ができるように工夫しました。フィット感は自分で調整できますし、耳の上が痛くならないと好評です。

もっとカラフルな生地、カラフルなひもで仕立てたら、気分だけでもずっと明るくなるマスクが仕上がるでしょう。


4/17/20 開店10周年でしたが

この状況ですから、工房を常に開けて、通りすがりのお客様を歓迎するわけにはいきません。今は、すでにご注文いただいている品物を仕立てています。この10年間で、当工房の仕事を認めてくださったお客様に、とにかく仕上げてお届けしておきたいのです。


4/3/20 ようやく出会った、足に合った靴

ライトアングルステッチのエプロンフロントダービーです。お客様の足と当工房の既製木型とのマッチングは悪くなかったので、パターンオーダーでのお仕立てを提案しました。

長く使っていた型紙だったので、これを機会に少しだけ立体感と流れが出るようにデザインを修正しました。手縫い作業でもこれまで気付かなかったコツをつかみ、まだまだ良い靴を仕立てられそうです。

履いていただいて「凄い!」とのことです。良かった。

というのも、今回のお客様は靴修理かわごしさんの紹介でした。オーダー靴やビスポーク靴を仕立てたこともあるけれど、どれもフィッティングが出ていなかったそうです。そこで、靴を分解して足に合わせて改造する川越さんを訪ねた、という経緯の方でした。靴への不信感もあったでしょうから、多少でも払拭する一助になったなら作り手冥利に尽きるというものです。


1/1/20 新年明けましておめでとうございます

今年で工房は10年目、靴を作り始めて15年目になります。

1人1人、1足1足が新鮮な仕事です。新たな出会いを楽しみにしています。