2019年 店舗日記/案内と雑記

当サイトにお越しいただき、ありがとうございます。
ここでは、日々の出来事や思うこと、お店の予定など、思いつくままに記しています。


10/5/19 足、見ましょうか

ちょっと興味があって立ち寄った程度のお客様でも、お時間が許すなら、足を見せていただいて、軽く測定しています。パターンオーダー用の仮履きを履いていただいて、「ウチだとこのサイズぐらいです。足長、足周は●●センチの●ウィズぐらいで探してみると良いと思います」とお伝えします。既製靴を探すにしても、基準は知っておいほうが良い。

私は全く商売にならないわけですが、見返りがないわけではありません

手元には足型の略図が残ります。これと、見せていただいた足の雰囲気や性別、およその年齢などのデータが残ります。木型設計のイメージトレーニングぐらいはできます。靴を作る仕事において、足の情報はどれだけあっても良い。個々の足型の蓄積、私の宝物です。


18/8/19 革靴は気持ちいい!

今日は靴の納品でした。今時分の京都は、暑いですね、が挨拶です。

「でも、革靴だと気持ちいいですね。」さすがにビスポークローファーで御来店の常連様です。

靴を履くたびに合わないと思うのか、寄り添っていることを感じるのか、それは大きな違いだと思います。


7/18/19 再会その2


先日の手作り市でのこと。

「前にペンダントを買わせてもらったんですよ。」

ありがとうございます。で、ペンダント? 手作り市ではまずまず売れていますが、どの製品だったかしら。私の困惑を察してくださって、お客様がわざわざ教えてくれた仕様が、最初期型!でした。かなりの年月になるはずですが、気に入って使い続けてくださっているとのこと。こういうのは、うれしい。直接販売ならではです。で、もう1つお買い上げくださいました。ありがとうございます! もう、泣くほどうれしい。

アクセサリーとしては地味ですが、シックでナチュラルな雰囲気のおしゃれもアリでしょ。そういう意識で開発し、改良を重ねてきました。年齢を選ばない、服装を選ばない、飽きが来ない、ここまでよくカジュアルかつ上品にまとまってくれたと自負しています。作り手目線で最大の欠点は、画像よりも実物の方が格好良い、身に着けている方がもっと格好良いことです。身に着けていてセンス良く見える、ちょっとした一品物です。


7/18/19 再会その1

先日の手作り市でのこと。

「前に名刺入れを買わせてもらったんですよ。」 

お客様から、わざわざ報告いただきました。こういうのは、うれしい。直接販売ならではです。

「気持ちよく使ってます。」

ありがとうございます! もう、泣くほどうれしい。

名刺入れみたいなアイテムは、どの製品でも機能に違いはありません。当工房の場合、良質な皮革材料を使うことができます。耐久性は文句なし。だから、それを活かした設計と作りで仕立てたい、いつもそう思います。目標は「使っていて気持ちいい」。そういうのが伝わる製品になっている、仕立て甲斐があるじゃないですか。


6/8/19 6月の手づくり市には出ません

毎月15日に行われる京都・百万遍の手作り市ですが、6月は抽選にもれたため、出展しません。

ここのところ、手作り市でも当工房を訪ねてくださるお客様が増えていて、大変ありがたい限りです。

作ったものを認めていただくこと、お客様の「マイブランド」と位置づけていただくこと、何よりの励みになります。手作り市でいただいた要望を製品化するのも楽しみだったりします。


5/11/19 長財布、作ります

この春、長財布よく作りました。あんまり作りすぎたので、型紙がボロボロになってしまって再生するぐらい。

内張りに靴用のライニングレザーを張りながら、薄く、でも皮革のふっくら感と手応えがあるように。爽やかな雰囲気は伝わるようで、手作り市の露店でもお買い上げいただける、お気に入りのアイテムです。


4/30/19 平成から令和へ

お客様のご提案。お納めする頃には「令和」です。


4/16/19 工房は10年目に突入します

時にお褒めの言葉をいただき、時に叱咤激励いただきながら、なんとか工房を続けてこられました。技術研鑽は永遠のテーマですし、今後も高い向上心で一つ一つの製品を作りたいものです。

手製靴および皮革製品について、値段が高いと言われることが多い一方で、意外なほど頻繁に「安い」と言われてきました。材料と技術以外の部分にかかる経費を極力省いて決めた価格と、何となく値上げしそこなった結果です。お客様のご希望を全部かなえる前提だと、どうじてもビスポークメゾンらしい価格になってしまう。全部乗せ前提には全部乗せの価格になる。常連さんにそんな話をすると「それは困る!」とのことです。当工房は、お客様のご要望に合わせる幅を持たせておきたいと考えて、木型の作製はもちろん、既製木型も用意するところから始めました。見積もりが細かくなるのが玉に瑕ですが、お付き合いいただけるとありがたいです。

工房10年目。ちょっと溜めてしまっている注文品を、やっぱり一つ一つ作っていくところからスタートします。


4/16/19 手作り市でした

昨日は百万遍の手作り市でした。多くのお客様に声をかけていただき、感謝しています。

前の月にご注文いただいたカードケースのお渡しもあり、清々しい1日でした。

昨日はなぜか、アジア系よりも欧米系のお客様が多かったです。一人の男性が印象的でした。長財布を何度も手にとって、作りをじっくり眺めていました。時間を経るにつれて、顔色が変わっていくのがよく分かりました。独り言のように「良い財布だ、良い財布だ」と繰り返しながら、もう買う気満々。

で、隣の隣のテントで帆布の鞄を物色している奥様に相談に・・・・。

残念ながら、お買い上げに至らず。あ~あ。洋の東西を問わず、ダメなパターンですね。去り際にも未練たらたらで「素晴らしい仕事だ」って褒めてました。リップサービスではないのがよく伝わってきて、なんだかちょっと愉快でした。


3/23/19 鹿革のトートバッグ 特別注文

大事に使ってきた鹿革。あまりの肌触りに当初から床面=スウェード面で使うことしか考えていませんでした。この鹿革で作ったトートバッグは、素材と形の雰囲気が大のお気に入りのパターンです。普段は茶色のコンビか黒のコンビで仕立てていますが、焦げ茶を目ざとく見つけたお客様に即決でオーダーされました。焦げ茶のスウェードと黒のコンビ、上品に仕上がるのは明白です。

本日、お客様に納めさせていただきました。

ひゃぁぁぁぁぁ!

こういう歓喜の声を聞くことも、なかなかありません。大きめの鞄をずっと探していて、素材と雰囲気とサイズが揃った品物に巡り会えなかったそうです。要望で、今回はいつもより少しサイズアップして仕立てました。何人もの常連さんが狙っていた素材でしたが、早い者勝ち。で、この組み合わせのバッグを欲しがってた一人が、他ならぬ作者自身だったりします。


1/26/19 サンプルシューズを増やしました

パターンオーダーの木型はできるだけ「普通に」「フォーマルに」と形にしましたし、通常のデザインをする土台として使っていました。当然、デザインサンプルは多くなりました。

以前、靴づくりの先輩から「ずいぶんサンプル作りましたね」と言われました。いや、まだ家にあるんです、とお応えして唖然とされました。木型を削る際の参考にしようと思って作った爪先形状のサンプルシューズをずっと出しあぐねていたのです。

パターンオーダーのウィズ展開が想定以上になってしまったり、爪先サンプルがあったりで、オックスフォードだけでも結構な数が並んでしまいました。ハウススタイルと言うほどではありませんが、参考になれば、というところです。

新しく出したサンプル木型については、従来のパターンオーダー木型と同様のフィッティング設計です。ですから、パターンオーダーも可能です。新たに木型を揃えるのも困難ですし、申し訳ないのですが、木型代を負担くださいませ。「実質値上げですが、従来の木型については据え置き」と考えていただけると幸いです。


1/5/19 新年あけましておめでとうございます

今年も多くの出会いを楽しみにしています。

写真は、西陣の金襴を使った短靴の最新バージョンです。秋口に気に入る生地を見つけてしまって、つい仕立ててしまいました。

屈曲部には生地よりも革を使った方が、フィッティング、耐久性ともに安心感があります。当工房のパターンオーダーの木型も、金襴という素材も、いずれも古風な雰囲気があって、デザイン的にプレーントゥやストレートチップの方がまとまりました。何年にも渡って試してきた西陣の生地を使った靴は、これにてひと段落とするつもりです。